憲法手帳雑記 2005年4月   
◆4月23日(土)
 都教委包囲ネット主催の「今年の卒業式、入学式でなにがあったのか」という集会。220名もの参加で熱気にあふれるものだった。発言もした。求められた内容にならなかったかもしれないが、ビラまきでどんな風だったかという状況のつけ合わせも大事だが、運動の交流が必要なんではないかなと思っていた。誰がビラを撒いたのか。板橋でのことを参考に、他の地区でも手を差し伸べあうことがもっと可能なのではないか、と言いたかったが、いかんせん3分、不十分な発言になってしまった。
 日記さぼりも11日。書いてないときは、よっぽどのことがあったんだなと思ってやってください。心も体も元気、120%操業といった感じでやっています。藤田さんの裁判のことはHP「ふじかつの愛」を見てください。裁判になると急に関心の度合いが薄れるのではないかと思いきや第1回公判(一昨日)には84の傍聴席に対して130名の方が集まってこられた。遠方の方もおられ、先着順に急に変わったこともあってちょっともたもたした。板橋のSさん、気を利かして傍聴券を譲ってくれたり、法廷の前と玄関口との連絡役を買って出てくれる。冒頭で弁護団はまず公訴棄却を求める陳述をした。刑事事件とあって、主権者に対する人権無視も甚だしい対応に、傍聴者から抗議も出たほど。弁護団がそのことに触れると「裁判長の指揮権に抗議するということか」と。弁護士「そうだ」。左右と図って「却下します」。とにかく開廷が20分も遅れたことといい、最初から異様な空気ではあった。女性の傍聴者に対しても男性職員が過度なボディチェックなど。藤田さんの「起訴されたことについて」の陳述には、感動を覚える。
◆4月12日(火)
 先日、玄関の楓の木いっぺんに若葉出揃う、と書いた。さらっと書いた。植物の不思議を目の当たりにすると言葉を失う。楓の木そのものもそれほどがっしりしているわけではない。これほどの葉を噴出したのに、樹液を使い果たした風はなく肌を葉と同じ緑に輝かせている。すごい、実にすごい。農耕などと大袈裟に書いた。もちろん、地面など所有していないから、土も買ってくる。ただの庭弄りの延長だ。が、しかるべき季節にほんの一握りの種をまき、その成長を傍らに見ることは人の暮らしに大きな影響を与えるような気がする。
 『アコーディオン愉し』の注文が続いている。電話で注文なさる方の多くが、アコ論とも言うべきひとことをお話になるのがこれまた愉しい。ご高齢の方もおいでで、80歳になってはじめたという方も。お年寄りの施設などに行かれるそうだ。その時、アコーディオンなら楽しんでもらえるからというのだ。今日の方は、いきなり「私は江森さんに習った」とおっしゃる。まあ、何年ごろでしたか?実は私も30年ほど前に…などとひとしきり会話が弾む。でも普通、出版社に新聞に広告された本のことで問い合わせてきて、そんな話するかしら。印刷用紙の棚の上に小さな中国製のアコーディオンが置いてあったり、パソコンの隣にもイタリア製のアコがケースにもいれずに出ていたり、ギターがころがっていたりの我が社内が、まるで全部見えているみたいです。 
◆4月11日(月)
 はやりのメール便。5年前にはペリカン便(日本通運)のメールが160円で、たとえば郵便局で手帳一冊送るのでも210円かかるところ、3冊ぐらい入れても大丈夫だった。これはポストの受け口に入る大きさ(厚み)という基準で3kgまでだったから、とても助かった。それで今度はヤマト運輸のクロネコメール便。こちらは目方によって違う料金体系。50gまで80円、100gまで110円。たしかに郵便局よりは安い。こんど全く純然たるお仕事で3000部の封書を送ることになって、大量だから…とか重さは全部同じだから…とか、バーコードなんかはうちで貼るから…、区分けぐらいしておくから…とあれこれ、要はまけてちょうだいという交渉をしたけど、駄目でしたというお話。これが荷物の方は定期物で数も多いので、端数を切り捨ててもらっていたり、均一料金でもっていってくれたりしていた。扱いやすいメール便の方をまけてくれてもいいのに、は大間違い。私が鳥さんや猫さんでも下げないでしょう。だってこれが郵便事業の根幹だもの。その点鳥さんの方はやはり物流の発送でこなしてきちゃった。300gまでといいつつ、ポストに入る厚みならもっていってくれるというのがそれを示している。
 これらのメールや荷物が運ばれる先には地域の取次ぎ所からさらに各家庭に配達する下請けさんがいる。メール便は受け取りもなしにポストにいれてくればいいのだけど、荷物の方は何度も再配達しなければならないこともある。日本の郵便事業が敷いたレールを利用してルート配達のようなことで基礎的な事業が成り立っていくことになる。物流はどうか。その労働現場のすさまじさはどうか。メール便をまけることは決してないだろう。そんな決意が仄見える担当者の受け答えだった。
◆4月10日(日)
 天気はよいが、風が強い。明日からは雨だという。昨年植えたすずらんの根が大きくなって冬前に分けて埋めなおしておいたのだが、いくつもの芽が出はじめたときはまだ赤茶色の皮をかぶっていた。それが昨日あたり緑色の部分も見せている。事務所の玄関の楓の木はいっぺんに若葉が出揃って、ものすごいことになっている。小さな花房もたくさんつけている。まだ青年の柿の木も枝の先端にやわらかい葉を小さくつけている。何を言いたいか。そう、わたしのなかにわずかに残っている農耕へのあこがれ抑えがたく、朝っぱらからプランターに新しい土を補充し、小松菜などの簡単な野菜や花の種を取り揃えて…、満足でした。
 音楽夜話に向けて新曲を完成させたいと思っているが、今日は今日で成果なし。Kさんから夜話のチラシ用にとご自分のイラスト送って下さるが、これじゃ誰だかわからないじゃん!というもの。
◆4月9日(土)
 藤田先生の裁判支援の集会。弁護士さんの解説を聞いているとなんとなく勇気がわいてくるのだけど。先日ビラまきなどで刑事弾圧を受けた4事件共同集会が弁護士会館であって、昨日の先輩の女性も、今日荷物運びに車で来てくださった板高の保護者の方も異口同音にその余韻というか、いかに司法も含めてあらゆる組織のなかでまともな思考が失われつつあるかと、これは教育の問題だと強調しつつ話されていたのだった。まともな弁護士の判断がどこまで通るのだろうか、そんな不安がある。市民のビラまきということで板橋地域の仲間に発言していただくことになっていたが、悪性の風邪のため、それじゃあなた、となって、6分間の発言時間中に、そのまともな判断能力を失った組織…、板橋で言えば、区教委が「話さない、話すことはない」に終始したことを思い出していた。ついでに富士通だかのセミナーで話された某大学教授が言った「成果主義賃金が結局は企業をだめにしている」ということも浮かんできた。いわゆる年功序列で蓄積されてきた「人づくり」がストップしたわけだ。どんどん人も入れ替える。たしかに成果主義は一時的には業績のアップにはなるそうだ。しかしそれが維持されない。何ヶ月かすると横這い、そして低下。そして次だ。それで帰ってから思ったんだが、運動面でも同様の指摘ができる。ここを乗り越えないとな。藤田集会が終わってから板橋のメンバーで会場前の公園で1時間。簡単な打ち合わせして解散した。
◆4月8日(金)
 午後、ある会の集会の準備作業で仲間が事務所に来てくださる。二人で3時間ほどかけて、作業は滞りなく終えたのだが、その間中、ずっとおしゃべりをしていたのに気がついた。彼女は経験も識見も豊かなことこの上なく、私が発する疑問に自分のことばでしっかり教えてくれる。お互い、知らず、家庭の話なども出て、ほんとに眠いのを振り切って、毎日仕事とさまざまな社会運動に参加している姿に共感を深めた次第。私よりほんのすこしお姉さんのこの方くらいの年代の蓄積しているパワーは大きいぞ、改めて敬服させられたのでした。で、駅まで見送るつもりが駅前にある喫茶店(ここはご亭主がウエイトレスをやって、お連れ合いがカウンターの内側なのです)の前で、彼女いわく「少し話しません?」。そう、このパワーなんです。それで私は彼女が目開かせてくれた新たな問題意識とケーキと珈琲で、大変満足して、事務所に戻ったらもう仕事をする気になれませんでした。
◆4月7日(木)
 予定通り、板橋高校門前で新入生と保護者へのメッセージを手渡す。桜の並木、曇り空だったが、これまでのような寒い朝ビラとは違って、穏やかな気分になれる。みなさんも同じ気持ちだったろう。「おめでとうございます。読んでくださいね」「ありがとうございます」この繰り返しで、用意したビラは全部なくなった。澤藤弁護士が監視行動で立ってくださる。韓国のテレビ局の取材あり。校内からブラスバンドの練習の音聞こえてくる。何か足りないな。卒業式で頭に触れんばかりに門に掲げられた「日の丸」がない。生徒たちが半分以上は校門をくぐった頃、屋上に「日の丸」と「都旗」ひるがえる。門だと、ひきずりおろされかねないとでも案じたのであろうか。罪悪感は十分感じているのでしょう。今日は、ゴミ箱もなく、校長さんのてんぱった言動をみることもなく、公安の車を見ることもなく、ひたすら、大勢の参加者で、メッセージを配ることができたのである。それにしてもついこの間まで中学生だった子どもたちのあどけなさよ、素直さよ。自分の時代、娘たちのこの頃のこと、なつかしく思い出された。あの子たち、高校生になって最初の社会からのメッセージとして、待ち時間にでもビラを読んでもらえただろうか。
◆4月6日(水)
 昨日の記者会見での処分を受けた教員のお話をメモから再現しておこうと思っていたら、早速弁護士澤藤藤一郎さんの日記にアップされており、それをパワー・トウ・ザ・ピープルで紹介している。澤藤弁護士には明日朝、板橋地域でお世話になる。今週の土曜日夜は池袋の豊島区民センターで藤田裁判に勝利する会があります。ぜひ、ご参加ください。また公判が始まります。しっかり傍聴し、この異常な刑事弾圧をはねのけ、表現の自由、思想と良心の自由を守るたたかいにつなげていきたいと考えます。
 夜、横浜で教員の方々と交流できた。Sさんはじめ、みなさんのお話が伺えてよかった。分会が機能しているところの話しは久しぶりに聞いた気がする。神奈川でも昨年11月に通達。「予防訴訟の会」への取り組みが始まっているとのこと。地域と手を結んでというあたりは、なかなか大変な課題だと思う。でも、なんでもはじめの一歩あり。
 田中哲郎さんの歌は、トップのアピール文中で聴いてください。「〜100年前の人権ひどかった〜」沁みこむような歌声です。
◆4月5日(火)
 
今年の卒業式での不起立での処分を受けた教員の方々、都人事委員会に審理提訴。前年度の審理が全く進んでいない中での新たな処分という点を強調する弁護士の方。黙って受け取る人事委員会の人。「今まで人事委員会は何をやっていたのか説明をせよ」と大声は言わずと知れたFさん。いいなあ。その後、記者会見でした。処分を受けた方々の会見、それぞれに説得力のある話を伺いました。もう一年間、このことで知り合い一緒に運動を進めてきた教員の方が横断幕をもって新たな被処分者として立っている姿には胸を突かれる想いでした。
◆4月4日(月)
 一日病院でつぶれちゃったです。病院というところは、「待つ」ということの意味を考えさせるところなんでしょうねえ。妙に従順に椅子に座っている自分が不思議。一冊文庫本を読み終えて、流石にあと何人目ぐらいでしょうとカウンターの方に聞きにいきます。すみませんねえ、今先生処置にはいっちゃったようなんですう。…なんですうって、全然進行してないの!なんて声を荒げたりしません。こんなときこそ、詞を書きとめておこう、などと思うのですが、暇なときって駄目なんです。真っ暗な機器の中でガンガンガンという音を聞きながら輪切りの写真をとられている間は頭の中も真っ暗。今日という日はなかったことにしたいです。
◆4月3日(日)
 午後から郵政民営化を監視する市民ネットワーク立ち上げ集会。佐高信さんの講演を聞く。
命題はこれ。お話自体はよくわかりました。といいますか、わかりやすい話でした。しかし、これをどう取り戻すのだ。国民のための郵便事業に。多分あのあとユニオンの方々のお話もあっただろうが、テープおこしの作業があり、途中で失礼した。
 佐高講演を聴いていて、ちょっと「笑い」について考えていた。ザ・ニュースペーパーもあきれるほど観客は笑い、それを「笑っている場合ではないでしょう」と演者にいじられてまた爆笑するといったように、客席はタガが外れたようになっている。たまにテレビで見る「若手のお笑い」の芸はこちらが恥ずかしくなって失笑とか苦笑を覚えるが、それなりの位置を得ているのだろうと思うと、彼らの芸で大笑いできる若い世代の文化について一考ありだなと思う。まあ、そのうちに。今日の佐高講演は毒舌政経漫談と言ったら叱られちゃうかしら。
◆4月2日(土)
 朝鮮総連の最新ファイル(4/1号)と関係する前のファイルを送っていただいた。
「事態はごく簡単なことで、横田めぐみさんのDNAが発見されなかったにせよ、偽物とは断定できないということです。横田さんのDNAは高熱で分解してしまい、他の人のDNAがあとからまぎれこんでいた可能性です(そのことを鑑定者自身が指摘したわけです)。
 したがって、日本政府は、「発見できなかった、だから、横田さんが死亡したとは判断できない」と言えばすんだのを、「偽物」と言ったことで窮地に立ち、最近では「一年前に別居していたから、やはり偽物だ」(NHKテレビニュース)という全く論理のつながらない報道まで流しているのです。 共和国側の「鑑定ねつ造」論もまた、非科学的ですが。」と、解説していただく。
 昨日午後は国鉄闘争団の中野さんを迎える国会前の集会に参加した。少し時間を間違えて、別の会議のKさんへのチラシのお渡しがうまくいくか気がかりだった。とはいえ、ハンガーストライキのメンバーに混じって(三鷹の嶋崎議員がおいでよと言うから)図々しくも座っているところ、Kさんも早めに来てくださる。中野さん、四国から1047キロマラソン、本当にお疲れ様。かつて労組青年部と一緒に平和の火リレーを毎年夏に取り組んだことを思い出した。「人らしく生きよう」のビデオで見た中野さんの息子さんたちが伴走の一団に加わっている姿は印象的でした。
◆4月1日(金)
 昨日の処分発令を経て、区教委にどう話し合いを求めていくかが課題として残っているな、と漠然と思った。私は思っただけだったのに、朝一番でSさんから申し入れの案文メールとFAX入る。その後の連絡では、3度目の処分の方々への処遇がポイントだったが、減給6カ月ということだったようだ。1回目(今年初めて不起立だった方々)は戒告。今年は高校では9割の方が初めてという。でも、入学式がすぐ控えている。4度目になる人も出るだろう。不起立を断念させることにではなく、処分をやめさせることに向けて協力、共闘を呼びかけていかないと。この処分が社会的に何の意味ももたぬものに変えていかないと。
 今日、国鉄闘争団の中野さん、都心に入る。1047キロの「ロード人らしく」は国会前でのハンガーストライキの仲間のまえに姿を現してから最終地点の鉄建公団前に。4時ごろの予定だ。 
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